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コインチェック事件について

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2023年現在、最も価値があり有名な仮想通貨があるビットコインの価値は、1BTC約630万円まで高まっていますが、法定通貨のように、国家によりその価値が担保されている通貨とは異なり、仮想通貨はその価値を担保するものが、その仮想通貨を支持するユーザーのみであるという点で、その背景が大きく異なりますが、今や世界に無くてはならない存在として認識されています。

そんな仮想通貨の世界ですが、順風満帆に進んできた訳ではありません。
いくつかの事件により、仮想通貨(暗号資産)は危険というイメージが広まり、その存在自体が危ぶまれた事があります。
この記事では、その中でも最も大きい事件の一つとして挙げられる、「コインチェック事件」について解説してまいります。

事件の概要について

このコインチェック事件は、2018年1月26日に、当時仮想通貨取引のみなし業者だったコインチェックの取引所から、ハッキングにより580億円相当のネム(XEM)が盗まれた事を指しています。
ネムは2015年3月末から公開された比較的新しい仮想通貨の一つで、2023年現在、約15000種類ある仮想通貨の中でも、時価総額132位という高ランクの銘柄となっています。

この事件は、当時のコインチェックの社員が、マルウェアウイルスが搭載されたメールのリンクを開いてしまったことにより、遠隔操作ツールにより、同社のXEMのサーバー上で通信傍受を実施し秘密鍵を入手し、それを利用して外部のウォレットへ送金が行われるという、ハッキング攻撃を受けてしまった事がきっかけだったと言われています。
仮想通貨界を揺るがせたマウントゴックス社事件と同様、コインチェック社が管理していた仮想通貨が、オンライン状態、つまりホットウォレットとして管理されていたセキュリティ面の甘さが露呈した結果であるとも言われています。

事件の犯人は誰なのか?

事件の犯人は誰なのか?
2023年12月現在、コインチェック事件の犯人は捕まっていません。
ネム特有のモザイク技術を利用して追跡捜査を続けていましたが、ダークウェブ上に取引所を開設し、盗んだネムと、ビットコインを交換している事までは分かりましたが、結局それ以上追跡することは出来ずに、現在では捜査を打ち切っています。
事件の犯人ではありませんが、2021年8月に警視庁から、この盗難されたネムとビットコインの不正な交換に応じた31名を摘発したという発表を行いました。
逮捕者は13都道府県在住の20代~40台の日本国籍の男性という事で、31名が交換した総額が188億円相当という事が分かりましたが、この金額はコインチェック事件により盗難された金額の30%にとどまっており、残りは海外に流出しているという予測が有力とされています。

コインチェック事件を経たその後

コインチェックは2023年現在、国内における仮想通貨取引所の中でも1・2位を争うほどの人気の取引所として存在しています。
その理由として、事件の発生を踏まえてセキュリティ面を含めた様々な面を見直し、改善を図ってきた事が大きな理由として挙げられます。
改善を図った点としては、幾つかありますが、一つは資金管理の在り方をオンライン状態で管理するホットウォレットでの保管から、オフライン状態で管理するコールドウォレットとして管理するあり方へ変更した点、そしてログイン時にSMSなどを利用したワンタイムパスワードによる2段階認証を採用して、セキュリティ面を強化するようになった点が挙げられます。

またマネックスグループの傘下に入ったことにより、ガバナンス体制(企業自身による統制がとれた管理体制)、コンプライアンス体制(法令などの規則を遵守する体制)が強化され、セキュリティ面に大きく関わる技術面の強化が行われ、不正アクセスを早期に発見する、ログのモニタリングシステムが導入されました。

加えて、外部セキュリティベンダーにより24時間365日体制でシステム運用を監視する体制の確立、そして、顧客の資産と自社の資産は分別して管理する「顧客資産分別管理」の順守を行うと共に、財務情報の開示を行うようになっています。
以上の様に事件後は正に生まれ変わるがごとく、コインチェックという企業、取引所がより安全性、透明性が高まることになった結果、信頼を取り戻し、国内における仮想通貨取引所ランキング第1位という地位を確立するに至ったのです。

コインチェック事件を踏まえた国の動き

かの有名なマウントゴックス社事件に次ぐ、仮想通貨業界を揺るがす大きな事件となったコインチェック事件ですが、これらの事件を踏まえて国は法律の制定も含めて、様々な対策を打ち出しました。
その一つとして、「改正資金決済法」と呼ばれる、法律の制定を行いました。

この法律の中では、暗号資産交換業に対するルールが新たに定められており、暗号資産を取り扱う業者の登録制度が設けられると共に、事業を開始する条件として資本金1000万円以上であり、総資産がマイナスではないという財務規制や、マネロンに対する規制、不正防止の行為規制、監督規制などが定められたりと、仮想通貨(暗号資産)を取引するユーザーの資産の安全性を高める対策が行われたのです。

流出したネムの補償について

コインチェック事件を通して、顧客の資産を含む大量のネムが流出してしまった訳ですが、同社により顧客に対するネム補償が行われました。
対象は事件発生当時の2018年1月26日23:59:59時点において、コインチェックウォレットでネムを保有していた顧客であり、補償金額として88.549円×1月26日23:59:59時点における保有数を支払うと発表しました。
コインチェックによると2018年3月12日には全ての補償が完了したという発表が為されました。

しかし、その後2022年において、顧客らが同社や同社幹部にネムの返還を求めた集団訴訟が行われ、その結果顧客21名に対して計174万相当のネムを返還するように、東京地方裁判所において判決が下された。
同社の主張としては、前述した通り、日本円での補償を行った為、返還義務は既に無くなったというものだったが、判決としては「補償は法的性質が明らかではない一方的な給付で、その後の価格上昇で利益を得る機会を奪うものだった」と述べ、同社に顧客へのネムの返還を命じました。

その後人気を取り戻したコインチェック

その後人気を取り戻したコインチェック
その様な大きな事件の当事者となったコインチェックですが、前述した通り、2023年12月現在、国内の仮想通貨取引所ランキングで№1を獲得するまでに人気が回復していますが、その人気の秘密は何でしょうか。
その一つとしては取り扱い通貨銘柄が多く、2023年現在において国内最大レベルの取扱量と言われています。
またコインチェックは最も使いやすい取引所であるという声が多く、その理由としては直感的に、ゲームをしているかの様な感覚で取引ができるサイト構成になっている点が挙げられます。

特に仮想通貨の最新価格がすぐに確認できる便利なヴィジェット機能、見やすいチャート表、見やすい円グラフにより自身の資産を見える化している等の工夫が、その印象を強くしていると言えます。
またIEOと呼ばれる、仮想通貨の発行体が仮想通貨取引所を介して行う資金調達を行うことができ、これにより上場前の仮想通貨を先行的に投資できる機会を創出し、企業としては資金調達ができ、投資側としては有望な銘柄が上場前に投資できる機会を得ることができるようになっています。
実際、コインチェックで行われたパレットトークン(PLT)という仮想通貨の価値が、一時IEOでの価格の24倍以上に跳ね上がるなど、投資側に大きなリターンをもたらしています。
またNFTやメタバースの土地の購入ができる機能もある等、セキュリティ面の強化と共に、多くのメリットの存在から、国内№1の仮想通貨取引所としての地位を確立するに至っています。

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