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仮想通貨テザーとは一体どのようなものなのか?

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2024年現在、世界は法定通貨以外に、デジタルの世界を介して取引をされる仮想通貨が数多く流通しています。
ビットコインを筆頭に、最近はイーサリアムやネムなど、様々な仮想通貨が発行、流通され、その価値を変動させながら存在しています。
その中でもテザーは2014年に開発された仮想通貨であり、世界初のステーブルコインです。
ステーブルコインというのは、その価値が法定通貨や市場で取引されるコモディティ(金などの現物)などの価値と連動するように設計された仮想通貨の事を指します。
この記事では、世界初のステーブルコインである、テザーについて解説してまいりたいと思います。

ステーブルコインについて

大まかな説明は前項でさせていただきましたが、ステーブルコインは現在世界に現物として発行されている法定通貨、あるいは市場の商品の価値と連動している仮想通貨のことを指している為、基本的に価格が安定しやすい仮想通貨なのです。
法定通貨の価値は国家の存在に裏打ちされており、国家存亡の危機でもない限り、その価値が急激に下落することはない訳で、ステーブルコインは極めて安定性の高い仮想通貨と言えるでしょう。

ステーブルコインのメリット

上記でも触れました通り、テザーをはじめとするステーブルコインは非常に価値が安定しています。
この性質を活かして、資産の一時的な避難先として使用される事があります。
例えば、仮想通貨の相場が急激に暴落した際、法定通貨に換金したりしてリスクヘッジしなければいけない所が、テザーなどのステーブルコインに変換することで、わざわざ海外取引所から資金を引き出さなくても、対処できるという点が大きなメリットとして挙げられます。

また、DeFi(分散型金融)でも利用でき、レンディング(第三者に仮想通貨を貸し付け、賃借料を得る投資)、イールドファーミング(プロトコルで仮想通貨を運用して報酬を得る投資)でも利用できる点も大きなメリットですが、DeFiにおいてはテザーよりも、USDコイン、ダイ(DAI)といったステーブルコインの方が預かり資産額が多い現状です。
3つの目の利点としては、国際送金に利用ができ、銀行経由の送金よりもはるかに安い手数料で送金、着金が出来る点も大きな魅力の一つとして言えます。

テザー(USDT)のメリットについて

テザーのメリット
テザーはステーブルコインの中で最も時価総額が大きく、かつ米国ドル(USD)と価値が連動している(1USD=1USDTとなる様に調整されている)為、価値変動が非常に安定しているので、安心して保有することができる点が最も大きなメリットです。
その性質を利用して、価格変動の激しいビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の利確先の仮想通貨として使用される事が多く、その点も利点の一つと言えるでしょう。

また大概の仮想通貨は、1つのブロックチェーン(ネットワーク上の端末同士を直接接続し、暗号技術を用いて取引の記録を分散的に処理、記録するデータベース)のみに対応しているものが殆どですが、テザーは複数のブロックチェーンを基盤に発行されている点が大きなメリットと言えますが、この利点が理由で様々な決済、DeFiにおいて利用されています。
そして上記でも取り上げた様に、変動の激しい仮想通貨取引における利確用の仮想通貨としての存在価値が確立している為、海外取引所における基盤通貨として活用されている点も、特徴の一つではないでしょうか。
実際テザーを使用すると2回に及ぶ銀行間送金、送金における手数料、着金までの日数を省略できるため非常に便利なのです。

テザーで儲けることは可能か?

テザーという仮想通貨で利益を出すことができるかどうか?という事は、この記事を読まれている方が感じている関心事の一つだと思いますが、率直に申し上げて、テザーで儲ける事は困難と言えるでしょう。
何故ならば、テザーは「無風」の仮想通貨だからです。
基本的に投資とは、その価値の変動の差を上手く利用して利益を上げる方法ですが、別項でも触れた様に、テザーはUSDの価格の変動と同じ動きをするという性質上、価値の変動が少ない仮想通貨である為、ビットコインなどの価格変動が激しい仮想通貨への投資における利確の手段として主に用いられており、利益を出すための投資目標としては向かないのです。

便利なテザーだが大きな不安も抱えている

大きな不安も抱えている
さて、ここまでの説明でテザーは、その価値変動において「無風」であり、ボラティリティの高いビットコインなどへの投資における利確用の仮想通貨であるという理解をしていただいていると思いますが、実はその存在に、何の不安もないという事ではありません。
実は通称「テザー疑惑」と呼ばれる、結構な不安要素も存在しています。
と言いますのも、2021年におけるテザー社の総資産額は約352.7億ドルでしたが、連結総負債額は351.5億ドルであり、数字の上では担保されているという様に見えるのですが、実際は流通しているテザーと同量のUSDは保有していないのではないか?という疑惑が生まれています。

以前、テザーを発行しているテザー社に対して、流通しているテザーと同量のUSDを保有している証拠を出して欲しいという声が噴出していた時に、テザーはその要求には答えないばかりか、監査役のフリードマンLLPとの関係を打ち切り、その証明は為されていないままです。
その後、2017年に準備金の存在を実証するという事で出された文章も、提携している金融機関の欄は黒く塗りつぶされており、結局はその透明性を証明することができていません。
しかもその後から、テザーの流通額を、それまでの約5倍にあたる量に増加させている為、担保性について疑惑が更に増す結果となっています。

仮に、テザー社が、流通させているテザーの量と同量のUSDを保有していなければ、実質法定通貨であるUSDを勝手に発行し続けているという事になり、通貨偽造に等しい行為ということになります。
一部の方は、ビットコインの市場操作が、テザーを通して行われているのではないかという事を言われており、その真偽は不明ではありますが、本当であればとんでもない事です。
もしも仮に疑惑が本当である事が暴露し、テザーの信頼が揺らぐことになれば、仮想通貨の世界における楔のような役割が破綻するという事になり、ただでさえ不安定な仮想通貨そのものに対する信頼が一気に損ねられ、ビットコインをはじめとする仮想通貨という存在価値が揺らぎ、その市場が崩壊する危険性すら孕んでいます。

総合的に見てテザーの価値は?

ここまでの記事を通して、テザーの明るい側面と、反対に暗い部分についてある程度知っていただけたかと思います。
存在価値としては仮想通貨の世界に無くてはならない便利なものと言えますので、今後も利用される事が予想されますが、一方でテザー疑惑における、そもそもの存在の裏付けである担保性が嘘だった場合、その価値は一気に下落し、他の仮想通貨の価値をも揺るがしかねない不安要素も孕んでいます。
2023年現在、日本国内の取引所では取り扱っていないですが、国内の取引所で元手となる仮想通貨を購入し、海外取引所などでテザーを購入することができますので、日本国内からでもテザーを保有することは可能ですが、その利用については各種方面の情報を収集しながら、慎重に行った方が良いと言えます。

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