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所有する前に知っておきたいイーサリアムの特徴や懸念材料の解説

  • イーサリアム

ビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨がイーサリアムです。
時価総額に限らず仮想通貨としての歴史も長く、ビットコインが現れた5年後に仮想通貨として登場した経緯もあります。
このように価値もあり、実績も長いことで知られるイーサリアムを所有したいと想っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はイーサリアムの特徴や所有する前に知っておきたい懸念材料について解説しましょう。

イーサリアムの特徴を紹介

イーサリアムの特徴を紹介

イーサリアムには、仮想通貨としての特徴で、次のようなものが挙げられます。

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)へ利用できる

まず、イーサリアムはICOへの利用が可能です。
これは仮想通貨を活用した資金調達方法のことで、プロジェクトを立ち上げる際に仮想通貨を同時に発行する方法で資金調達を行います。
発行された仮想通貨は、株式会社の株のように公開して投資家から投資を受けるという形で資金を調達し、プロジェクトを進めます。

ただし、株などと異なり、ICOは法定通貨ではなく、仮想通貨での支払いを受けて仮想通貨を販売する形を取るのが特徴です。
この株のような形で発行される独自の通貨をトークンと呼びますが、トークンの作成に当たってイーサリアムでは「ERC20」と呼ばれるトークンの規格を提供しています。
この規格の提供によって、従来のような方法では取引所ごとに規格を設定して一から仮想通貨を作るという膨大なエネルギーを必要とした仮想通貨の設立が比較的容易となったのです。

現に、時価総額世界トップ20に入るポリゴン(MATIC)やチェーンリンク(LINK)なども、イーサリアムのERC20によって生み出された仮想通貨として上場されています。

発行上限が存在しない

イーサリアムの特徴として発行上限と半減期がないことも挙げられます。
ビットコインなどの仮想通貨は、発行に上限が設定されており、当初から希少価値が出るように設計されているのが特徴です。
さらにマイニングの報酬も半減期が設定され、採掘される仮想通貨の量が制限されるように作られています。

一方、イーサリアムは発行上限を持たないことでマイニングの報酬が減少する半減期もなくしています。
一見、価値が下がっていくように思われますが、マイニングを続けるという意味で報酬が変化しない分、魅力的です。
つまり、ビットコインのように供給量が減っていくということはほとんどなく、それがメリットとなって価値を維持しているのです。

スマートコントラクトによる開発プラットフォーム

イーサリアム最大の特徴はスマートコントラクトによる開発プラットフォームです。
これはDApps(decentralized applications、自律分散型アプリケーション)と呼ばれる分散型アプリケーションを作れる環境を言います。
たとえば、ビットコインでは決済の記録がブロックチェーン上に残るだけです。

しかし、イーサリアムでは様々なアプリケーションのプログラムを記録したり、実行できる機能をブロックチェーンに残すようになっています。
これが分散型アプリケーションと呼ばれるもので、イーサリアムではブロックチェーン上で単に決済だけでなくサービスの売買や契約書のやり取りといったことも可能にしています。
分散型アプリケーションの能力は、日本国内外にある多くの企業が注目しており、仮想通貨を活用した新しいインフラとして活用されつつあります。

なお、このアプリケーション内で現金として用いられる通貨が、一般に取引されているイーサリアム(ETH、イーサ)なのです。

ここまで紹介したポイントが、イーサリアムの主な特徴です。

イーサリアムが抱える懸念点

イーサリアムが抱える懸念点

ビットコインに比べて機能面が高く、拡張性を持ったスマートコントラクトが武器のイーサリアムですが、次のような懸念点があります。

マイニングに莫大な電力が必要となる点

イーサリアムのマイニングには、「Proof of Work(PoW)」と呼ばれるタイプのものが採用されています。
これは、ブロックチェーンを書き込むための計算処理を一番早く完了させたユーザーに対して新規発行した通貨を報酬として配布する仕組みです。
このことからもわかるように、実は最も処理能力を持った環境を持っているユーザーが新規発行されたイーサリアムを獲得できます。
そのため、各国の様々な団体や組織、個人がマイニングシステムを増強しているのです。

マイニングシステムの増強競争は、今も激しく行われており、スーパーコンピューター並みのシステムを揃えてマイニングしている企業も少なくありません。
このことによって生まれる問題が莫大な電力問題です。

マイニングをするためのマシンを維持するためには多くの電力が必要であり、現在課題となっている持続可能な社会、持続可能な開発目標(SDGs)といった点において大きな問題になっています。
イーサリアムクラスの仮想通貨になると、全世界でマイニングに投入されている電力は相当なものであり、改善が検討されているのです。

マイナーの報酬独占

マイナーの報酬独占も問題となっています。
イーサリアムのマイニングは、最も処理能力に優れたシステムへ報酬が受け取るシステムです。
そのため、ハイスペックな環境を持つ、一部の企業や組織がマイナーの報酬を独占しているとも言われており、資金力に乏しい個人や組織ではマイニングに参加しても報酬が得られない状態なのです。

上限が設定されるリスク

これまで述べてきた問題から、イーサリアムの特徴である上限無制限が撤廃される可能性があります。
つまり上限を設けてマイニングに歯止めをかけるという動きが出ているのです。
イーサリアムの特徴であり、魅力ともいえる上限無制限の撤廃が行われれば、イーサリアムの通貨としての価値も乱高下する懸念があります。

イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)移行について

イーサリアムが抱えている懸念に対して、一つの答えとなっているのが「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」への移行です。
これは、イーサリアムの考案者として知られるヴィタリック・ブテリンが提唱しているものです。

イーサリアムが採用しているプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を改良したコンセンサスアルゴリズムであり、簡単にいえば省エネでマイナーの独占が解消されるシステムを言います。

まず、省エネになる理由としてマイニングの権利が処理能力ではなくイーサリアムの保有期間や保有量によって決定するという仕組みです。
イーサリアムでは主に保有期間を重視して決定する方式を検討しているようです。
このシステムによって一部のマイナーに権利が集中することが解消され、個人レベルのマシンパワーでも十分マイニングに参加できます。
Posへの移行をすることで、イーサリアムが抱えているマイニングの問題が解消され、上限設定の検討も必要なくなるかもしれません。

ただ、プルーフ・オブ・ステークでは、多くの暗号資産(仮想通貨)を長期間にわたって保有していた方が有利なので、短期間で売却しようと考える保有者が激減する恐れがあります。
これによって、イーサリアムの市場での取引が減少し、イーサリアムの価値が低下するという新しい懸念が起こることも否定できません。
そういったリスクもあるので、イーサリアムの運営については慎重な決断が迫られています。

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