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ビットコインでマルチ商法?Bitclub事件とはどんな事件だったのか

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仮想通貨市場は巨額の資金が動く市場へと変化を遂げました。
報道などでビットコインの価格が高騰しているなど情報がどんどん入るたびに、投資をしたいと考える方も増えてきています。
このような中、ビットコインのマルチ商法を利用して多くの人々をだましたのがBitclubです。
今回は、ビットコインの投資話による詐欺事件、Bitclub事件について解説します。

Bitclub事件とは?

Bitclub事件とは?
Bitclub事件とは、ビットコインのマイニング設備への投資と称して詐取した2020年の事件を言います。
首謀者とみられるBitClub Networkという企業の5人は逮捕され、犯人の逮捕で一つの結末を迎えてはいるものの、被害者から総額7億2,200万ドル(約1,060億円)をだまし取った事件として世界を驚かせました。

この事件は、2014年4月にBitclub Networkが立ち上げられたことに始まります。
その後も新規参加者を募集して既存の投資家に報酬を与え続け、2019年12月まで続けられた典型的なマルチ商法でした。
そして、規模が膨れ上がって莫大な金額の動く詐欺事件となりました。
ここではその流れについて解説しましょう。

「BitClub Network」の誕生

当初比較的小規模な詐欺を目的としてアメリカで行われました。
ただ、雑な詐欺になることの内容、軌道に乗るまで会社の収入の数値を偽装するなどかなりリアルな数値を提示できるようにしていたようです。

しかし、想像以上に多くの人をだませたことから、その数値はやがて現実的でない者へと変化し、ビットコインのマイニングによる収入を60%増大させるといった操作へ進みます。
さらに初期の投資家に対しては配当と称して新しく加入した投資家から預かったお金の一部を支払うことを行っていたのです。

「BitClub Network」の拡大

規模を拡大させたBitClub Networkは、広告にも力を入れます。
主にウェブサイトへの広告を中心にPRも行い始めました。
マイニングプールへ出資したら創始者としての立場を与えるという宣伝を行ったのです。

マイニングプールとは、ビットコインのマイニングをするにあたって共同出資し、その資金を利用してマイニングを行うというものです。
BitClub Networkはまさにマイニングプールの主催者としてふるまい、あたかも参加者にお互いが協力してマイニングを行う集団になると思わせることに成功しました。
そのため、個人ではマイニングに参加することが難しいと考えていたマイナー志望の被害者にもBitClub Networkへの投資を行わせられたのです。

実際、マイニングプールと呼ばれる集団は存在します。
ビットコインはかつて個人でのマイニングが主流でした。
しかし、BitClub Networkが詐欺を働き始めたころから共同出資によるマイニングプールでのマイニングが主流になってきており、BitClub Networkは時流に乗った詐欺という見方もできます。

BitClub Networkが行った嘘の投資内容

ここでBitClub Networkが行った嘘の投資内容についても解説しましょう。
BitClub Networkは4つの架空のマイニングプールを用意しました。
これは架空の存在であり、実際には存在しないマイニングプールです。
BitClub Networkの詐欺的な行為は、マイニングプールの設備投資という名目で資金を募ったのです。
投資の方法は、詳細が分かっていないものの「GPU持ち分」という単位あたり1,000ドル(約15万円)で投資させる形だったようです。

さらに初期に参加した投資家に対しては創設者の立場を付与し、配当も行っていました。

このような話を主にFacebookの広告を打ち、アメリカだけでなく比較的投資リテラシーが低いアフリカにも広告を行っていました。
実際、アフリカ大陸南部のザンビア共和国でもBitClub Networkのインターネット広告が見られたという報告もあります。

マイニングプールの進展、分かりやすい投資内容、そして初期の投資家への還元や大手SNSを中心としたインターネット広告による広範なPR戦略でBitClub Networkの詐欺は拡大の一途をたどりました。

BitClub Networkの終焉

BitClub Networkの首謀者たちは、自分たちが関与から引き下がることも行っています。
BitClub Networkの株式を売却したのです。
透明性を確保していることや巨大な規模になったため潰すことはできないといったことを宣伝して世界中の投資家へ自社株を売却しました。
これは証券法の違反行為です。

様々な犯罪行為を行ったBitClub Networkの首謀者たちはついにアメリカの連邦政府から指名手配、そして逮捕されています。
2019年12月、ニュージャージー州の米国当局はBitClub Networkの首謀者たちを逮捕し始めました。

犯人は全て逮捕された

犯人は全て逮捕された
まず、仮想通貨の利用した出資金詐欺で5人いた首謀者グループのうち、次の3人を逮捕しました。

(通信詐欺の共謀と非登録証券の勧誘および売付の共謀)
・マシュー・ブレント・ゲッチェ
・オバデア・シンクレア・ウィークス
・シルヴィウ・カタリン・バラチ

その直後、次の疑いで1名を逮捕します。

非登録証券の勧誘および売付の共謀

・ジョセフ・フランク・アベル

これによってBitClub Networkは壊滅したと思われました。
しかし、ラス・アルバート・メドリンは国外逃亡を図り、アメリカの連邦政府からの要請でインターポールが国際指名手配になりました。
幸い、2020年6月にインドネシアのジャカルタで逮捕されます。
現地の警察に未成年性的暴行容疑で逮捕されたのです。
皮肉にも別の犯罪で警察に捕まるというずさんな最後でした。

これによって、被害者たちを「頭の悪い投資家」「羊」と呼んでいたという仮想通貨を利用した5人の犯罪者たちは、ついに全員逮捕されました。

実は完全壊滅していないBitClub Network

BitClub Networkの首謀者たちはアメリカやインドネシアの警察に逮捕されました。
しかし、株を持っている世界の投資家たちは今もBitClub Networkを運営しているのです。
日本にもBitClub Networkが存在し、ホームページは2024年現在も生きています。

セミナー情報の更新は止まっているものの、世界最先端システム+マイニングプールを1000日間利用できるビットクラブネットワークに登録すると称して登録フォームはそのままです。

このような事例は全世界でいまだに残っており、BitClub Networkは実質的に壊滅したものの、BitClub Networkのコミュニティはまだ生きている可能性があります。
なお、支払いはビットコイン限定であり、実態がつかめないような支払方法で今も勧誘をしているのです。

世界にはびこるBitClub Networkの後継詐欺

また、BitClub Networkに類似した詐欺は現在も世界各国ではびこっています。
2020年には香港の男性が類似の犯罪(マイニングプール詐欺)で告訴されました。
この男性もPRに力を入れており、高層ビルから札束をばらまくパフォーマンスをしています。

このように派手なPRを行うマイニングプールの主催者は詐欺が多く、注意を払う必要があるのです。

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