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仮想通貨の歴史2:アルトコインの登場と止まらぬハッキング

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2010年代の前半までビットコインが唯一の仮想通貨であり、暗号資産でした。
実際取引所もビットコインのみが取引されており、決済として取り扱いを行っている店舗やネットサービスでも唯一の決済方法として数年の月日が過ぎました。

このような中、ビットコインに次ぐ新たな仮想通貨が誕生します。
今回はビットコインに次ぐ新たな仮想通貨、イーサリアムの誕生と、取引所で起こった多数のハッキング事件について解説しましょう。

ビットコインに次ぐ新たな仮想通貨:イーサリアムの誕生

イーサリアムの誕生
ビットコインは、仮想通貨の唯一の存在であり、暗号資産と言えばビットコイン(BTC)でした。
しかし、その状況もついに終わりが訪れます。
それがイーサリアムの誕生です。

イーサリアムは、ビットコインバブルがはじけた2013年までさかのぼります。
2013年にカナダの州立大学であるウォータールー大学に通う学生、ヴィタリック・ブテリンが「Ethereum white paper」と書かれた新しい暗号資産の構想を立ち上げます。
従来のビットコインとは異なる暗号資産の構想であり、その構想に共感したイギリスのコンピューター科学者、ギャビン・ウッドが「Ethereum white paper」を学術的に整理します。

2014年になると本格的な開発が開始されました。
当初はアマチュアによる開発でしたが、2014年にスイス企業のイーサリアムスイス(GmbH ( EthSuisse ))が立ち上げられ、開発を加速させています。
その組織化の理由として、イーサリアム特有のシステムが挙げられます。

ブロックチェーンを単に決済の手段の承認だけにとどめず、スマートコントラクトと呼ばれるアプリのようなシステムの処理にも利用するというアイデアがイーサリアム最大の特徴でした。
しかし、その壮大なアイデアを具現化させるには、アマチュアがネットワークでやり取りをするのではなく、正式な組織が必要だったからです。

その後、イーサリアムスイスは、同じくスイスでイーサリアム財団と呼ばれる非営利団体化された組織に改組されました。
これによって、より中立的な立場でイーサリアムの運営ができるようになったのです。
また、開発に必要な費用は当時始まったばかりのクラウドファンディングで調達されました。
この資産を利用してイーサリアムの開発は進められていきます。

そして、2014年7月にはイーサリアムの原型ができると、オンラインのパブリッククラウドセールが行われます。
ここでは、既に誕生していたビットコイン(BTC)を利用してイーサリアムのバリュートークンであるイーサ(ETH)と交換するというものでした。

イーサリアムのネットワークが稼働

2015年7月にはイーサリアムのネットワークが稼働し、ついにビットコインに次ぐ仮想通貨が誕生します。
なお、ビットコインの後、という意味合いからイーサリアム以降の暗号通貨はアルトコインと呼ばれています。

そして、イーサリアムが本格的に流通するようになると、イーサリアムのプラットフォームを利用することで、次々と新たなアルトコインが作られていきました。
このようにして仮想通貨はビットコインだけでなく、現在のようなビットコインと無数のアルトコインによって市場が構成されたのです。

止まらないハッキング事件:イーサリアムや取引所がターゲット

止まらないハッキング事件
イーサリアムは順調にビットコインの後を追うような形で積極的な取引が行われていきました。
しかし、2016年大きな事件が起こります。
それがThe DAOと呼ばれる分散型自律組織で起こったハッキング事件です。

この事件は簡単にいえば、イーサリアム上で立ち上げられたThe DAOと呼ばれる投資組織で集められた暗号資産がハッカーによって盗まれたというものです。
盗まれたイーサリアム(ETH)を無効化する目的でハードフォークと呼ばれる大規模な改変が行われるなど、イーサリアムのセキュリティに影を落としました。

この時期、イーサリアムだけでなく、日本を始めとした仮想通貨取引所がターゲットとなってハッキング事件が起こります。
これらの事件によって、仮想通貨取引所のセキュリティが徐々に強化され、各国でも当局が取引所の安全性をチェックし、運営も審査するライセンスの発行が始まります。
次の項目では、日本で起こったハッキング事件を中心に解説しましょう。

仮想通貨の歴史:取引所が次々にハッキングされる

国内外様々な仮想通貨取引所が標的になり、ハッキングされました。
特に日本は仮想通貨取引が盛んで、当時から世界的に見てもトップクラスの市場として機能していたため、頻繁なハッキングが行われていたのです。
日本の仮想通貨の歴史はハッキングの歴史といっても過言ではないくらいです。
そのようなハッキング事件として次のようなものが挙げられます。

(2014年2月:マウントゴックスハッキング事件)
2018年1月:コインチェックのハッキング事件
2018年9月:Zaif(ザイフ)のハッキング事件
2019年7月:BITPOINTのハッキング事件
2021年8月:Liguidのハッキング事件

マウントゴックスハッキング事件は、ビットコインの黎明期に起こった事件で、当時世界最大の仮想通貨取引所だったマウントゴックスがハッキングによって破たんした事件です。

次に有名なのが2018年1月のコインチェックのハッキング事件です。
現在も日本の仮想通貨の歴史上最大のハッキング事件として知られ、被害総額は当時のレートで580億円というものでした。
コインチェックで取り扱っていたネム(NEM)のほぼ全額がハッキングされ、流出した事件です。
原因は、ホットウォレットと呼ばれるオンライン上での管理であり、ハッキングによって全量がネットワークで引き出せる状態によるものです。

また、取引所としてのセキュリティも問題で、マルチシグ(送金時に複数の署名を必要とする技術)が導入されていなかったという点が挙げられます。
ただ、仮想通貨取引が始まって10年にも満たない時期であり、セキュリティは発展途上にありました。
なお、コインチェックはその後全額を賠償し、会社はマネックス証券の傘下となって再出発しています。

ハッキング事件の横行

中堅仮想通貨取引所のZaifも2018年9月にハッキングを受けました。
当時管理されていた以下の通貨がハッキングによって流出したのです。
・ビットコイン(BTC)
・モナコイン(MONA)
・ビットコインキャッシュ(BCH)
こちらはマルチシグなどの対策は取られていたものの、ホットウォレットによる管理だったことから、ハッキングによってネットワークから総額67億円の被害を受けてしまいました。
こちらも金銭などで補償が行われ、経営母体も変わるといったことになった事件です。

2019年にはBITPOINTでもハッキングが行われました。
こちらも狙われたのはホットウォレットの仮想通貨で次のような複数の暗号資産が流出しています。
・ビットコイン(BTC)
・ビットコインキャッシュ(BCH)
・イーサリアム(ETH)
・ライトコイン(LTC)
・リップル(XRP)
ただ、この事件で襲われたのは一般的に狙われる顧客サービス用のサーバーとは異なり、バックヤードで保管されていた保守用途のサーバーが襲われたという点で、問題となりました。
なお、被害額は35億円で、全て仮想通貨による支払いによって補償を行っています。
また、国内取引所の資産が全てコールドウォレットで管理するなどの体制の強化が行われる契機となった事件でもあります。

Liquid(リキッド)は外資系の取引所ですが日本でもシェアの高い取引所です。
2021年、こちらのシンガポール現地法人の「QUOINE PTE」が入出庫の管理用のホットウォレットがハッキングされ69億円もの流出がありました。

このようにアルトコインの誕生によって、ハッキングも盛んにおこなわれるようになったのが仮想通貨誕生以降中期ともいえる頃の歴史です。

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