ブックメーカーReport

日本に比べ欧米で非常に高い人気を誇るブックメーカー
海外で人気がある理由や利点などについて詳しく解説

ブックメーカーの歴史は意外と古い?!競馬から広がりスポーツや政治まで賭けの対象に

  • ブックメーカーとは?

ブックメーカーの始まりは1790年に遡るとされ、最初はイギリス競馬で独自のオッズをつけて運営されることから始まりました。
初期は競馬の歴史や趣旨にそぐわないなどの声があったものの、その範囲と規模を拡大させていき、イギリスでは1960年には法律で認められるようになります。

アメリカでは2018年にブックメーカーを利用したスポーツベットが解禁され、20週以上でブックメーカーが合法化されるなど、世界各国に広がっているのです。

18世紀末にイギリス競馬から始まったのがブックメーカー

イギリス競馬から始まったブックメーカー
ブックメーカーはイギリス競馬の歴史と密接に結びついています。
イギリスでは12世紀には初めての競馬が行われ、1539年(1540年という説有り)に常設の競馬場が誕生し、18世紀に入ってからは様々なルールや血統書の刊行など、近代競馬の基礎が整行きました。
貴族の娯楽や名誉を競う場だった競馬が、馬主がお金を出し合って賞金を奪い合うステークス形式に移り変わっていったのも18世紀に入ってからです。

1776年にイギリスセントレジャーステークスが成功を収めると、その流れが決定的になります。
ブックメーカーの誕生は1790年にウィリアム・オグデンらが出走馬にオッズをつけ、賭博を行ったのがブックメーカーの始まりとされています。
個人が行う賭博はそれ以前にもあった可能性はあるものの、競馬主催者とは別の企業が独自のオッズをつけて賭けを行うという事例は初めてだったのです。

当然、競馬の主催者や馬主側からすれば収益がプラスになるどころかマイナスになる可能性がある他、競馬の歴史や趣旨にそぐわないなどといった反発が起きました。
イギリス政府も様々な規制を打ち出していくことになりますが、抜け道も多く、完全な取り締まりには至らない状況が続くことになります。
最終的な結論は1950年代の国家規模のギャンブルに対する調査にゆだねられることになり、1960年には調査結果を受けてブックメーカーが解禁されるようになったのです。

現在は裁判所に届け出を出し、認可を受ければ企業が合法でブックメーカーを営めるようなり、法律に基づいて管理が行われています。

競馬以外にも広まっていったブックメーカーの賭けの対象

イギリス競馬から始まったブックメーカーの歴史ですが、勝敗や着順を争うスポーツは競馬以外にもあります。
ブックメーカーを規制するべきか、合法とするべきかという議論が行われ、法整備などが検討されている間にも賭けの範囲は広がっていきます。

わかりやすいのがプロスポーツです。
サッカーなどを対象にどちらが勝つか、何点とるか、トーナメントであればどこが優勝するかなどが賭けの対象になっていきます。
さらに、プロスポーツに限らず、大学スポーツや、選挙においてどの政党が勝つか、だれが首相や大統領になるかといった範囲にまで広がっていき、ブックメーカーは競馬以外の様々な賭け事が行われるようになったのです。

新聞や雑誌などの媒体を使って投票を募り、ブックメーカーは成長を遂げていきます。
競馬だけでなく、様々なスポーツや人々の関心の集める政治の動きなども賭けの対象としことによって、イギリス国民によって親しみやすい状況が出来たという見方もあります。
1950年代のイギリスの調査結果にも影響を与えた可能性があり、多くの人がブックメーカーに親しみ、一般化していたことは見過ごせない要素と言えます。
イギリスのブックメーカーは、公営競技やスポーツくじなどを除く賭博行為を禁じてきた日本とは大きく違う流れで進化してきたのです。

イギリスのブックメーカーの現在

イギリスのブックメーカーの現在
イギリスでのブックメーカー市場は調査機関によって異なるものの、約5000億円以上の規模と言われています。
イギリスのブックメーカーは認可制で、裁判所に届け出を出し、厳しい審査をクリアした企業や団体のみが営業を行う権利を得ます。
認可を得たブックメーカーは、『Independent Betting Adjudication Service(IBA)』という団体に加盟し、その信頼性を増すための様々な工夫を行っているのがポイントです。

イギリスにおいてIBAに加盟していないブックメーカーは、法的根拠が薄い、信用できないブックメーカーと扱われてしまうのです。
海外からイギリスのブックメーカーを遊ぶ際は、IBAに加盟しているかどうかをチェックするのも一つの基準となります。
イギリスでのブックメーカーの浸透度合いを示す数字は、イギリス競馬の市場規模を見ると一目瞭然です。

イギリス競馬の馬券の売り上げは2019年のデータでブックメーカーが約99%、残り1%を競馬を主催する団体などが占めると言われています。
これは税金などを介さずに賭けられるブックメーカーの方がベット時のオッズが高く、還元率も高くなるためです。
1%しか利益を得られないのであれば競馬自体が維持できないと判断されそうですが、ブックメーカーはイギリス政府外公共機関を通し、売り上げの一部を賦課金という形で競馬界に収めています。
ブックメーカーの利益も競馬業界の利益になるからこそ、高額な賞金や、競馬場の整備といった様々な仕組みが維持できているのです。

世界のブックメーカー市場と代表的な国

ブックメーカーはイギリス発祥ですが、スポーツを賭けの対象にすること世界各地で行われてきました。
一方で、多額のお金が動くことで八百長問題が起きるなどトラブルに発展するケースも珍しくなく、各国で規制を行う、あるいは条件付きで合法化するなど歴史による変遷があります。
国際刑事警察機構の発表によると、近年のブックメーカー市場は約330兆円と言われています。
国際刑事警察機構が調査を行っているのは、非合法な賭けが行われている可能性もあるためです。

日本の場合は公営競技やスポーツくじ、宝くじなどを除くギャンブルは禁止されていて、民間のブックメーカーなども存在しません。
アメリカは『1992年連邦プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)』でスポーツベットが禁止されていましたが、2018年にブックメーカーを介してスポーツブックを行うことは解禁されることになります。
個人間で賭けを行うことは禁止されていても、法律上の許可を得たブックメーカーを介してスポーツベットを行えるようになったのです。

アメリカは州ごとに法律が異なり、2021年時点では20州以上がブックメーカーを合法としています。
シンガポールやカナダでは、公営のブックメーカーのみが営業を許可されていて、国によって民営か、公営かもわかれる状況になっているのです。
他にも南米やアジア圏で、ブックメーカーを許可制にする国や、一部合法とする国があります。

ブックメーカーは世界に広がっている

ブックメーカーは世界に広がっている
ブックメーカーはイギリスで民間から誕生し、150年以上の年月をかけて賭けの対象を広げながら、合法のギャンブルに成長していきました。
この流れは世界各国に波及し、アメリカのように近年になって解禁するケースも存在します。
これはインターネットの普及で海外のブックメーカーを利用することが簡単になり、違法としても取り締まることが難しくなっているという実情もあります。
規制を無理にかけるよりも、合法化して税収に変えたり、認可制にして法律で取り締まれるようにした方が良いという考え方が浸透しつつあるのです。

財政改善のためにブックメーカーやギャンブルの合法化を進める国は珍しくなく、日本でもギャンブルに対する法律が変わりつつあります。
今後も世界各地でブックメーカーが誕生し、ネット経由で世界中からアクセスできるようになるなど普及が進む可能性があります。

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